平成22年3月4日(木)、第82回日本胃癌学会に参加しました。
-ワークショップ術前診断の工夫と進歩-
胃癌の術前には、特に内視鏡治療前にはその範囲診断としてFICE(Flexible Spectral Imaging Color Enhancement)やNBI(Narrow-Band Imaging)などの画像強調内視鏡観察が併用される場合があります。また深達度診断としてはEUS(超音波内視鏡)や64列MDCTが有用ですが、前者は瘢痕合併例、3cm以上、U領域などで、後者はType1、印環細胞癌、A領域などでは診断能が下がってしまう傾向があります。64列MDCTを使った検査では検査前に400-600mlの水を服用し、噴門部や胃底部の病変では仰臥位で幽門部の病変では腹臥位にすると診断がしやすくなるようです。外科的治療前にStaging Laparoscopyを行ってできるだけ不必要な手術を避けたり化学療法併用の指標にしたりしている施設もありました。全体としては術前に多少時間がかかっても様々なモダリティーを併用して、より適確な診断と治療法の選択が行われる傾向にあるようです。もちろんそれだけの機械とマンパワーの整った施設での話ですが。野田消化器科クリニック 野田昌男
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