野田消化器科クリニック-豊岡市日高町 兵庫県豊岡市の消化器内科専門クリニック。胃カメラ、大腸ファイバー、超音波エコー

2012年04月23日

第98回日本消化器病学会参加報告

潰瘍性大腸炎では5-ASA製剤を中心に内視鏡的寛解をめざし、寛解が得られたなら2,3年は用量を減らさず内服を継続することが大切であるという。確かに5-ASA製剤はたとえ少しくらい高用量が長期になっても、他の治療薬AZAやInfliximabに較べればやはり安全な薬である。
B型肝炎に対する治療戦略がかわりつつある。今までB型肝炎に対して核酸アナログ製剤の投与が始まって15年が経過するが、一生服用を続けなければならないのが大きな問題であった。症例の蓄積と解析の結果、HBsAg < 1.9 LogIU/mかつHBcrAg < 3.0 LogIU/mLの症例では、核酸アナログ製剤を中止できること、またHBeAgおよびHBV-DNAの陰性化期間が1年以上で、HBcrAg < 4.0 LogIU/mLの症例では、INFによるSequencial療法によりHBsAg陰性化が可能であることが示された。
そのほか、赤ワインに含まれるレスベラトロールに抗腫瘍効果があるとする発表、温州みかんに含まれるベータクリプトキサチンに耐糖能、食後の高脂血症を改善作用がありNAFLDに対して有効であるという発表などが興味深かった。