C型慢性肝炎の新規治療ということで、虎の門病院の鈴木義之先生の講演を聞かせていただいた。テラプレビルを用いた3者併用療法のデータを解析していくと、治療効果の規定因子として、IL28BがTTなのかTG/GGなのか、Core aa70がwild typeなのかmutant typeなのかで大きく分かれるという。IL28BがTTであれば94%、TG/GGであってもCore aa70がwild typeなら64%の奏効率があるが、IL28BがTG/GGでCore aa70がmutant typeだと現状ではまだ難しいようだ。テラプレビルの使用量としては2250mgよりも1500mgの方が、貧血の副作用が少なく、奏効率も変わらないという。また副作用として皮膚症状が出るが、これにはステロイド剤の内服、外用、抗アレルギー剤の内服が有用であり、投与3日目くらいに出る尿酸上昇には、アロプリノール(ザイロリック®)の併用が腎障害予防のためにも有効である。最後にフラバスタチン(ローコール®)やテプレノン(セルベックス®)の上乗せ効果についてお尋ねしたところ、やはりこれも有効であるらしく、主治医のさじ加減として使える方には使っているとのことであった。
野田消化器科クリニック 野田昌男
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